〈 アナゴ 〉―ほどよく脂がのった繊細な味わい。
ふくよかな夏の味覚。


 「炙(あぶり)食ふ時はうなぎに伯仲(まけずおとら)ず…」。江戸時代後期、天保年間の図鑑である「魚鑑(うおかがみ)」に、アナゴはウナギに匹敵する旨さである、と紹介されています。当時すでに庶民には高嶺の花であったウナギの蒲焼きに代わり、アナゴが盛んに食べられていたといいます。
 アナゴ類にはマアナゴ、クロアナゴ、ギンアナゴ等がありますが、一般にアナゴといえばマアナゴを指します。北海道以南の各地に広く分布し、水深10〜100m程の砂泥底に生息。オスは40cm、メスは90cmに達します。「穴子」の字を充てるのは、昼間は砂に穴を掘って身を隠し、夜間に首だけを出してエサとなる小魚やエビ類を狙う習性に由来しています。魚体の側面 に目盛のような白点が規則正しく並んでいることから、神奈川県の周辺では「ハカリメ」と呼ぶこともあります。
 漁は春から秋にかけて行われますが、旬は何といっても産卵期で身の肥えた6〜7月頃です。
 最もポピュラーな料理法は蒲焼き。背開きにして中骨をとり、その骨を醤油とみりんで煮詰めてタレを作っておきます。皮ではなく身の方から先に火であぶり、タレをつけながら焼きます。表面 はサクッと、中はほくほくと焼き上がった蒲焼きは、ほどよく脂がのり、立ちのぼる芳ばしい香りが食欲をそそります。そのまま丼等にして食べるほか、小さく刻んでちらし寿司の具にしても美味しくいただけます。
 小ぶりのアナゴはぜひ、天ぷらで。開いた身に軽く塩をふり、衣をつけて揚げます。甘みが際立ち、とろけるような美味しさです。また活きアナゴが手に入ったら、洗いもおすすめ。開いて皮を引き、そぎ切りにしてぬ るま湯で身を洗い、氷水にさらします。食べる時はわさび醤油や梅肉、ポン酢で。しっかりとした歯ごたえと奥深い味わいは、まさに夏場の新鮮な味覚です。





●取り寄せ情報

焼穴子
(価格)300g入り(約5〜7本)
3,000円
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岡山県岡山市春日町1-6
株式会社 松下鮮魚店

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アナゴ(アナゴ科)
ビタミンAを大量に含み、動脈硬化や高血圧予防に最適。またカルシウムや不飽和脂肪酸(EPA・DHA)も豊富で、夏バテ防止に効果 があります。





あなごの変わり揚げ

■材料(4人分)*写真は1.5人分です。

あなご(蒲焼き) 2尾
長いも 100g
海苔 約1/2枚
小麦粉 少々


 衣
(小麦粉 3/4カップ)
(水 1/2カップ)
(塩 少々)
揚げ油 適宜

■作 り 方
1. あなごは3cm幅くらいに切り、長いものは3〜4mmの厚さで、あなごの大きさに合わせて切る。海苔は1cm幅に切る。
2. 長いもに小麦粉を薄くつけ、長いも2枚であなごを挟み、海苔を帯状に巻く。
3. 合わせた衣に2.をくぐらせ、中温の揚げ油(170〜180℃)で揚げ、器に盛る。


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